2025年5月8日から9日にかけて、生成AIのエージェント連携を標準化するオープンプロトコル「Model Context Protocol(MCP)」に関して、複数の一次ソースから最新の動きが報告されています。以下に主要なニュースを整理します。
MCPとは何か?
- Anthropic社が2024年末に提唱したオープン標準プロトコルで、LLM(大規模言語モデル)と外部ツールやデータソースを安全かつ構造化された方法で連携させることを目的としています。
- 「AIのUSB-Cポート」とも例えられ、異なるAIモデルやツール間の接続を標準化し、開発者が機能をツールとしてLLMに提供できる仕組みを提供します[1][6]。
最新ニュースのポイント
1. JavaエコシステムでのMCP採用拡大
- Javaの主要フレームワーク(Quarkus、Spring AIなど)でMCPの採用が急速に進んでいます。
- Max Rydahl Andersen氏による「MCP Java Server Configuration Generator」などのツールが登場し、Java開発者がJBangを使って手軽にMCPサーバーを立ち上げられるようになりました。
- Javaはエンタープライズ分野での強みを活かし、MCPを通じてLLM連携を強化していますが、セキュリティ面の課題も指摘されています[1][3]。
2. AWSのAmazon Q Developer CLIがMCP対応
- AWSの開発者向けCLIツール「Amazon Q Developer CLI」がMCPをサポート開始。
- これにより、開発者はより豊かなコンテキストを持つ開発ワークフローを実現可能に。
- MCP対応前はネイティブツールのみの利用に限られていたが、MCPサーバーからのツール統合が可能になりました[9]。
3. Extend社のオープンソースAIツールキットにMCP統合
- 経費管理プラットフォームExtendが、AnthropicのMCPを含む複数のAIフレームワークと連携可能なオープンソースAIツールキットを公開。
- これにより、ユーザーは自然言語で財務データを分析したり、経費管理の自動化をAIエージェントで実現可能に。
- ExtendはMCPを活用し、AIと既存の金融インフラをシームレスに結びつける狙い[4]。
4. MicrosoftのMCPおよび関連プロトコルへの積極的な関与
- MicrosoftはMCPのほか、Googleが提唱するAgent-to-Agent(A2A)プロトコルもサポートし、Azure AI FoundryやCopilot Studioに統合。
- これにより、異なるベンダーのAIエージェント間での安全な通信や協調動作が可能に。
- MicrosoftはA2Aの開発にも積極参加し、MCPと連携したマルチエージェントワークフローの構築を推進しています[5]。
5. ローカル環境でのMCP対応AIソフトウェア
- Block社のオープンソースAIエージェント「Goose」がMCPを採用し、GitHubやGoogle Drive、Slack、IDEなどと標準化された連携を実現。
- 一方、同じくオープンソースの「Jan」についてはMCP対応の明確な情報はまだ確認されていません[6]。
6. 開発者向けイベント・セッションでのMCP紹介
- 5月19日から開催予定のMicrosoft Build 2025では、MCPをテーマにしたセッションが予定されており、開発者向けにMCPを活用したAIアプリケーションやエージェントの構築方法が紹介される予定です[8]。
7. 開発ツールのMCP対応強化
- MicrosoftのDev Proxy v0.27リリースでは、MCP対応が追加され、AIエージェント間でメモリやツールを共有可能に。
- また、自然言語での設定が可能なMCPサーバーも実験的に導入され、開発者体験の向上を図っています[10]。
まとめ
- MCPは生成AIのエージェントやツール連携の事実上の標準プロトコルとして急速に普及しており、Java、AWS、Microsoft、Extendなど主要企業が積極的に採用・対応を進めています。
- MCPは異なるAIモデルやツールの相互運用性を高め、複雑なマルチエージェントワークフローの構築を容易にするため、今